We’ve updated our Terms of Use to reflect our new entity name and address. You can review the changes here.
We’ve updated our Terms of Use. You can review the changes here.

20​代​の​ピ​ヨ​・​ロ​ン​ダ​ー​ト

by Piyo Londirt

/
1.
時代は草食系  安いビーフも食えず  男が子守じゃ世も末 フロウの曲線  押韻の微熱が  ジュテーム  この現実を抱きしめる 無知なBボーイと コンクリートの詩人達に 足りないのは信用 貴金属より光る一層  宿命的合致  無限のジグソー パーティ  ライミング  綱渡り  大振り三振  濃やかなサーヴィス 地道な営業  遠いドン・ペリニヨン  冷笑されようともせぬ迎合 規格外の果実  認めさせればいい  空にキッス  ウィンク  華麗なるスウィング スキル磨け  出る杭になれ  利は得ずとも そこに道が拓ける 東京のど真ん中  稼げジャンジャカ 目指せ  桁が違う預金残高 眼前に摩天楼  深く瞑想  ジャックポットに 心をそっと預ける夜 贋作だらけのこの街で 欲と詐欺師だけが本物となりえる 大東京  死だけは平等  俺はビル風に怯む蝋燭 選ばれてないことの不安と恍惚 内に潜むケーオスとコスモス 希望に搾取される  若者はなぜ  金のためではないと 胸を張れる 今まで流した汗と涙  札で拭いても それは正当な対価 夢さえ跪かせイラマチオ  喉を裂くほどに 深く刺し込む 光を屈折させた禿頭へ  垢のない金  叩きつけるまで 東京のど真ん中  稼げジャンジャカ 目指せ  桁が違う預金残高 俺を育んだブロックでは  塩気ある生活が苦悩してた 意味を呪った者は息を引き取った  看取った者さえ次第に咳込んだ それでも生きねばならなかった  徐行と停止の狭間だった それに比べれば  このゲームはラフ  無知な審判がルールを語る 東京ハスリング  ジャンキー  売人  草やけした声は信じない主義 華奢な体と手製爆弾  多少の才知を武器に目指すは 延命の為のクリンチばかり  そんな雑魚を相手にした無敵じゃない たった一度の負けが 検索エラー引き起こす ヘルター・スケルター No.1 Playa 東京のど真ん中  稼げジャンジャカ 目指せ  桁が違う預金残高
2.
街はずれ  さまざまなゴロツキが 集うバーの片隅に球撞き場 カウンターに片端の幼い娼婦  誘いをかわして頼む オン・ザ・ロック マスター  今夜あいつと勝負がしたい  青龍とよばれる札付きのワル シャブと売春の元締め  市警と狂人の群れを統治してる 身内の名を出して口封じ  ここいら一帯は あいつの私有地 賭けの対象は何がいい  俺はオムレツとお前のマセラティ 惚けた回答に雑魚の嘲笑  理解できぬだろう 白虎の心 さぁ おっ始めようぜナインボール  披露してやる 艶美なマジックを わからせればいい  実力で 強者ゆえ映らぬ盲点 そこを思いきり撞け 一直線 燻らすマイセン  無数のハイエナと 白虎一頭の舞台で 相手は青龍  圧倒的ブレイク  どの角度も ビンドラーのように命中 高精度のエイミングと 強靭な精神力  まるでデュークが遂行するミッション ハイレヴェルな好ゲーム  実力は拮抗  あたりはしんとなり 誰もが息呑む 青龍優勢  あとは8と9番  誰もが思った あのキューが唸る だがミス・ショット  まさかのスクラッチ  動揺が一瞬  睫毛のゆらぎに 長い間 手をつけなかったチョーク  基本を軽視  これも実力 残りふたつ入れ  あっけない幕切れ  ただ俺だけが青龍を案じてる 入口は誰しも無条件 だが出口はいっこうに見えぬ 皆欲するは宝石 それとも尊敬 お前の敗因は 今まで勝ちすぎたこと  まるで自惚れて手入れの悪い矛 俺とお前に差なんて無かったし 戦績は知っての通り飾りだ それから二日と経過する前に 青龍はこの街から姿を消した 致命的転倒のラスト・ダンス  よほどあのミスが許せなかったのか  台に向かう以上  注ぎ込む気力  偽証できぬ この魂の猛りの 空腹を満たすまで  勝負師ならば 毒入りも全部喰らえ だが俺にもいつか敗北が襲う  なぁ  本当の勝利とは何だと思う 答えが出ぬまま  俺もにわか雨のように この街を去った 端から見ればそれは滑稽 しかし彼らの放熱は 生きる意味をも通り越してる
3.
男は腐るほどいるはずだ  なぜにあいつを選んだのか 君を抱くにふさわしい男が  他にもたくさんいると思うんだ だが君はあいつを選んだ  その決め手は何だったんだ レディーとしては みなされずに 男に貢いで殴られる日々 セックスの最中も 男は携帯をいじる  時に他の女との電話で 笑っている 「気持ちよくねえ」 というから  君は壊れたように 腰を振ったんだ TVには無邪気なアイドル  歌っている 「ひとりじゃない」と これほど虚しいことってあるかい  君を救えるのは君だけなんだ いつか訪れる日々のために 君にしか守れない君のために レヴェルの低すぎる男なんかに お前はビッチなんていわせるな 試着するように 色んな恋をしてみたけれど 締まらないベルト 車や時計で男を見ては  ベッドで最高の夜を教えた だが男たちは捕まらない 似た女にやられた過去が 男も学習するってことだ 打算的な女は避けたくなるはず あの人の子供は高学年  コピーを作るなんて どうかしてる 下腹の贅肉  ハリのない肌  朝起きたら もう若くなかった エステ通い 効果はなし  利子が嵩み カード破産 大切なことを見失ってないか  君を救えるのは君だけなんだ いつか訪れる日々のために 君にしか守れない君のために レヴェルの低すぎる男なんかに お前はビッチなんていわせるな ある日のニュースサイト 強盗殺人の被疑者として とても懐かしい顔を見た しかしかなり 老けこんでしまっていた ふと君の口癖を思い出した  「いつか男を見返したい」 昔の男は君を嘲笑った  君はとうとう君を救えなかった いつか訪れる日々のために 君にしか守れない君のために レヴェルの低すぎる男なんかに お前はビッチなんていわせるな 君には何も 起きてなんかない 流されて生きてきただけだから
4.
言葉が見つからない  半透明な君を 強く抱きしめたまま このまま偽らないことが  最善の策とは どうしても思えない 誰も殺めず  薄着のままで  ここまで来たことを 心から讃える OD 自傷行為 シンナー LSD 白の氷り 夜の偽善に体をゆだね  甘い言葉で鎖をつながれる 枯枝のように病的な脚線  消えた笑窪が何より痛くて  一秒は絶望に足る時間  だからこそ  その眼に映したい それでも生きると 選んだ人達の  つきはぎの愛を いつか  君が生きやすいような日々が いつか 君が信じていける日々が いつか 君が誰か笑わす日々が いつか  いい時代になる... ただいま おかえり 苦悶し続けて  やっと出したその答えに  ただうなずくよ  これからのことに話を移そう 夢や欲しい物  好きな人  まだ光が痛いなら 焦らずにいこう  俺も塞ぎ込んでいた日々がある  今も薬なしでは生きられない 医者の目の前  失禁したこと 毎晩のように対峙した魔物 こんな風に君にふれあうのも  きっと自分のためでもあると思う   たくさん泣いた  少し笑った  よかった  君のそんな顔が見たかった もう帰ろう  陽のあたる場所へ  支えるよ  新たな門出 いつか  君が生きやすいような日々が いつか 君が信じていける日々が いつか 君が誰か笑わす日々が いつか  いい時代になる... 俺の言葉は重たかったか  何もいわないほうが良かったか 絞ったような昨晩の 「ありがとう」  気付けなかった最後のサインだと 無垢ですぐ膨れ  行方不明になる風船のような 君の幼い頃の思い出に 心を埋める  長い夜に揺れ  膝がくずれる 雲の上でちゃんと眠れるかい  約束していたクリスマス・カード みんな涙をこらえて書いたから  決して叶わぬ願いを抱いたまま  不細工な人生より  死は惨い  拷問と思えた  慰めの白粉 赦した日々が  また罪に満ちた  理解できるか  明日も君がいない いつか  君が生きやすいような日々が いつか 君が信じていける日々が いつか 君が誰か笑わす日々が いつか  いい時代になる... 今日一日  誘惑を我慢する  今日一日  外の風を吸う 今日一日  陽の光を浴びる  今日一日  それでも信じてみる
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
14.
15.
16.
17.
ベイビー・ドント・スマイル 作り笑いしてみても やるせない鏡の前 似たような失敗 くりかえしてしまう 周囲の冷たい 視線がよみがえる いくら寝ても なぜか寝足りない 満腹だけど 食べすぎてしまう 友人にさえ会いたくない もう私は昔の私じゃない 睡眠薬 でも眠りは浅い 輝いた過去は夢の中 常にイライラ 落ち着かない 数少ない理解者に あたってしまう ためらい傷 両手に数ヶ所 この手首は一体 誰の代わり どこで間違ってしまったの またやってくる同じ夜 ベイビー・ドント・スマイル 苦しんできた 無理して笑わなくたっていいんだ  ベイビー・ドント・スマイル 君が決めな 消えぬ痛みは愛するべきか 君の笑顔が好きさ だけど 今は精一杯 泣き明かしな 君は弱さを見せない だから 損な役回りばかりだ ベイビー・ドント・スマイル 昔から 手のかからない 子供だったみたい あまり泣かず 我慢してばかり 人一倍強かった責任感 高いプライド 本当は小心 できるならあの子のように 他人への気遣い それは予防線 嫌われたくない 心の声 今ではもう忘れてしまった 素敵な大人の恋の仕方 あの人は逃げるように去った 疲れてしまったといいながら 私を愛してくれる人なんて 誰かと向き合う自信もなくなった どこで間違ってしまったの またやってくる同じ夜 ベイビー・ドント・スマイル 苦しんできた 無理して目指さなくたっていいんだ   ベイビー・ドント・スマイル 君が決めな 虚しい日々にこだわるべきか ベイビー・ドント・スマイル 探してきた  いつまで経っても見つからないんだ ベイビー・ドント・スマイル  君は持っていた  その心は誰かの光だ 君の笑顔が好きさ  だけど  今は精一杯  泣き明かしな 君は弱さを見せない  だから  損な役回りばかりだ 君の笑顔が好きさ  だけど  今は精一杯  泣き明かしな いつか本当に笑えるはずさ だから今は  ベイビー・ドント・スマイル
18.
19.
20.
21.
A ねぇ いって  ねぇ 愛してるって もっと ねぇ いって  眠れるよう A 喧嘩ばかりだった もっと優しくすれば良かったね アルバムを抱えて逝ったあの老父は 寂しい思いをしてないかしら 裂けそうよ A ねぇ いって  ねぇ 愛してるって もっと ねぇ いって  眠れるよう A 絶望へようこそ  無力だと嘆く者よ 明日は一体どうなるのでしょう 一瞬で家族が 離散しました 一瞬でふるさとが 瓦礫と化しました 前を向いて 歩くしかありませんね 私達ならできます  しかしその前に 誰か私の涙を止めてください 入口はこちらです  絶望へようこそ A ねぇ いって  ねぇ 愛してるって もっと ねぇ いって  眠れるよう A 絶望へようこそ  無力だと嘆く者よ 焦ることはない  そういう者がほとんど 混沌  必要なのはうがい薬に含まれるヨウ素 違う  これも誰かが煽る虚偽の情報 安心しなさい  じきに飽きるでしょう ニュースもゆるやかに ショウへと変貌 外資や金持ちは西へ逃げました 悪い風評だけ残していかれますか 今日も老婆が亡くなりました 凍死だそうです  この現代で今 危ない人がまだ何人かいます (同情の涙は四人目で枯れた) 不謹慎の議論なんて どうでもいいです それで暖がとれるのなら 好きにして 水をください  食料をください 今日を導かない昨日をください B プライバシー保護が厳しい時代に ネット上に携帯番号を晒してまで 連絡を待ってる人達がいます 誰もが切羽詰まった状況みたいです 一応リツイートしてみますが 僕の行為に意味があるのかは 疑わしいです  だからコンビニで今 ついでではない募金をしました ごめんなさい  できるのはこれくらいだと思う マンガン電池のような僕の善意は細い 一体いつまで持つのか  考えないでおこう 今日も夜勤です  絶望へようこそ A ねぇ いって  ねぇ 愛してるって もっと ねぇ いって  眠れるよう A どこへ行くの  もう愛せない? 私を見捨てるの  もう愛せない? 今朝あなたが 浜で見つかった さっき話してた  あれは幻か C 「ご子息は天国に召されて  そこで幸せに暮らしております」 D 「……そうですか。ぜひ、天国にあるという  その住所を教えていただけませんか。  訪ねてまいりたいのです」 C 「お母さん……そこは亡くなった者しか  行けない場所なんです」 D 「わかりました。私が死ねば会えるんですね」 E 安心しでぐれ  これは心の声だ あんたに一体何が出来るって? 食いもんだよ  食いもん! クイモンヨゴセ!! ニグ! ニグ! カヅ! スデーギ! シオガキイデハゴダエノアルヤヅダ!! ミズ! サゲ! ヒョウケツ!! ハイボール!!! オニゴロシ!!!! あどあんたが やらせでぐれれば問題ねえな! やらせてぐれよ! なぁ! たまってんだよ! 俺のためになんかしでぇんだべ! ケツこっちさ向げろ! あぁ 息が臭ぇ  体もべとべとだ 自分の口臭がもう ザーメンみてえな臭いがすんだ 心配すんな  もう萎えでるよ  おっ勃つもんもおっ勃たねえ  第一そんな体力は今はねぇ 安心しでぐれ  これは心の声だ 寄付どがいっでっけんど  届かねぇなら なんも意味ねぇべや どうせマスコミも都会の人達も ひど月もすりゃ みんな忘れっちまうんだべ 政府はいっでぇ何やっでんだおい あーガキがうっせぇ  あー眠らんに 静かにしろっつってっぺ! おめぇも親なんだがら  静がにさせろよ! 苦しいのはみんな一緒だべや! 安心しでぐれ  これは心の声だ もしここで死んじまっだらどうすんべ 東京の子めらは 気づいてぐれっかよなおい 孫の顔さ見っちがったな まだ下の子は結婚もしでねぇんだ あいづは大丈夫がよま 奥手だがんな  心配だ もう腹減ってんのがどうがもわがんね 自分自身が 穴になっだみでえだ さみぃ 安心しでぐれ  これは 心の声だ
22.
23.
24.
25.
26.
27.
28.
29.
30.

credits

released September 6, 2023

license

all rights reserved

tags

about

Piyo Londirt Tokyo, Japan

福島県会津若松市出身のラッパー。
14歳のときに母と弟と家を出る。転々とした先の市営団地の前にTSUTAYAがあったため、100円レンタルを利用して映画や音楽にのめり込んでいく。
17歳のときに友人が事故死したのをきっかけにラップの曲を作り、文化祭で全校生徒の前で発表したことで自己表現の快感を覚える。
上京後、2010年からWEB上に音源を発表。2011年に東日本大震災が起きたのをきっかけに、翌年に通信制の大学に入学、数年後に卒業。さまざまな法律や判例を知り、数分の楽曲では表現しきれないものに興味を持ち、脚本を学ぶようになる。
現在は音楽活動と並行して、別名義で脚本家としても活動中。
... more

contact / help

Contact Piyo Londirt

Report this album or account

If you like Piyo Londirt, you may also like: